Sは映画館で鑑賞 Mはビデオ、BSなどで鑑賞

早春物語 ***1/2 原田知世じゃなければと思うぐらいの快作。これは大人のロマンス映画。
象のいない動物園 ** シンプルで哀しい。でももっとシンプルでいい。
象物語 *** やっぱり哀しい。それしか言えない。
ソナチネ ***1/2 自由意志と運命の葛藤を描く実験的作品。
その男、凶暴につき ***1/2 あの歩き方。画で語るセンス。
空飛ぶゆうれい船 ** 空想冒険マンガの並一丁。
空の大怪獣ラドン *** これほど哀しい怪獣映画を私は知らない。
それから *** この静寂、この囁きはただごとではない。本当に美しい。
「それから」 SOREKARA (AND THEN)
このコーナー邦画初登場。最初に新宿ミラノ座で見たときは、いいと思わなかった。しかし数年後、少し大人になってから見たときにハマった。なによりその抑制のきいた美しさにリアリティとロマンを感じた。邦画には珍しい怒声のない映画。セリフが美しいと思える邦画は珍しい。この映画の音響関係スタッフを称えたい。所作ですべてを見せる松田優作入魂の名演。そして小林薫の巧演。夏目漱石の原作(個人的に「こころ」とセットにすると興味深い)を巧みにまとめた筒井ともみの脚本。梅林茂はこのあとアジア映画の音楽も担当して大活躍する。散見される森田芳光の傲慢なイメージショットは余計だった。そしてこの映画が私にとって最後に大井武蔵野館で見た映画になった。1985日本 監督:森田芳光
Vol.12 2000.05.21