これもよく間違えて認識されている方が多いですね。でもこれはルーカスフィルムもいけないです。だってややこしいんですもん。THXとはジョージ・ルーカスの主宰するルーカスフィルムの一部門であり、そこが行う品質保証認定サービスを含めた総称のことをいいます。
もともとは映画館のJISマーク??
もともとは映画館を認証するシステムのことでした。映画製作者がダビングステージできいている音が映画館の観客に届けられるようなクオリティの映画館にたいして、ルーカスフィルムが再生クオリティ基準をクリアした劇場を承認したという、いわば一種の品質基準です。ですからこれ自体がドルビーなどの音響フォーマットの一種ではありません。
ところがこれが好評で、今度はそれを家庭用の音響システムに発展させます。これがホームTHXシステムです。このシステムもいわばダビングステージの音を家庭でということで、認定された機器類とホームシアターの施工なども含めたトータルな商品でした。ホームTHXシステムでルーカスフィルム側は不要な高域部の減退サラウンド音声の疑似ステレオ化などを提案していきます。(ここで後日のややこしさの原因となるのですが、ホームTHXはプロ用の環境とのギャップを埋め、上記のような環境を可能にするために、アンプにTHX専用の回路が含まれていました。これ自体は専用の何かの音響フォーマットではありません) しかしながら機器導入費最低100万円、部屋の大きさ最低8畳以上では普及するはずもなく、あえなく方向転換となります。現在は機器認証のみに変わり、また認証に関してもTHXウルトラ、簡易化したTHXセレクトなどいくつかの種類ができています。
THX-DVDは製作工程へのお墨付き
その後ルーカスフィルムはソフトに関しても認証をはじめました。それがTHXレーザーディスクとTHXマスタービデオテープ、そしてTHX-DVDです。これは製作プロセスがルーカスフィルムが定める一定の基準をクリアしたものにたいして与えられています。フィルムからテレシネする際に民生用機器の特性をふまえてマスターテープを作り、途中何度かのチェックが入ります。ですからTHX印がついたタイトルに関してはルーカスフィルムが責任をもってソフト化しましたという品質基準がついたもの、というわけです。

THXが認証がついているソフトに関して、私の個人的な印象ですが・・・
○オリジナルのネガの状態がかなり良いものを選んでいる:これはいいです、本当に
◎音響に関しては民生用の再生に適するようにかなり注意が払われている:素晴らしい仕事をしています。
○発色がよい:きれいです。
△画調が甘めになる:これは好みだと思いますが、ソフトな画調になることが多いです。
といったところでしょうか。