ここでは名盤・お得盤・珍盤・ミュージシャンのサントラの紹介をしながら、
サントラ盤にまつわるトピックをコラム形式でまとめました。

なぜ出なかったんだあ〜!
この話は有名ですが、実は「ブレードランナー」はずーっとなぜかサントラ盤がでませんでした。エンドクレジットにはちゃんとサントラの発売元がでているのに。別のオーケストラが演奏したインスト盤(左)でお茶を濁していまして、それがベスト盤にようやく2曲入ったかと思ったら、初公開後12年もたって突然発売(右)。なぜ? 出たんだからいいじゃないですか(笑)  
スコア盤をなめんなよ!
「サタデー・ナイト・フィーバー」「フラッシュダンス」あたりから始まった曲をフィーチャーしたサントラ発売は、使用されたインスト曲をアルバムからはじき出すこととなり、サントラファンをおおいに嘆かせました。しかしそんな希望を持っていたのは私だけではなかったらしく、近年はスコア盤も別に出ることが多くなったのはうれしい限りです。ですから購入の際はお間違いなく。「ドゥ・ザ・ライト・シング」右がスコア盤、左が曲がメインの方。
映画音楽ベスト盤
サントラを数多く担当している作曲家は映画音楽のみのコンピレーションを出すことがあります。これはたくさん作品が入っているという点の他に、サントラでは出ていない作品のスコアが収録されている点でも大変価値があります。左のヴァンゲリスの作品集は「ミッシング」「バウンティ」も収録。右のマーク・アイシャムの作品集は彼の初期のものばかりで未発売の作品ばかり。両方ともおすすめです。
スターだもん!
企画盤でスターや監督などでくくったものがあります。左はブライアン・デパルマ監督と数多くコンビを組んだピノ・ドナジオのデパルマ作品音楽集。オリジナル音源ではありませんが、サントラが出ていないものも収録されていて大変貴重です。右はジャッキー・チェン作品の音楽集。すべてオリジナル版で、もちろん「プロジェクトA」や「ポリスストーリー香港国際警察」も収録されています!
逃すな、チャンスを!
サントラは入手しにくい作品もたくさんあります。特にヨーロッパ映画だと人気がないマイナーな作品はあっという間に廃盤になったりして厳しい時がありますね。右の「カオス・シチリア物語」はタビアーニ兄弟の名作のサントラ。ひょんなことでみつけてすぐに買いました。左はいまだに日本未公開の「MISHIMA」 フィリップ・グラス入魂の1枚です。
珍しいもの2枚
変わりダネを2枚。右は「タイタニック」のDTS−CD盤。映画館のデジタル音響フォーマットdtsのCD版で、dtsデコーダー内蔵アンプで再生するとCDで5.1chの立体音響が楽しめる。非対応のアンプでは再生できないので注意。左は「ブルーサンダー」のプロモ盤。サントラの場合、作曲家やエージェントがCD化されていない作品をPR目的で少量生産することがあり、ラッキーであればそれを購入できるかもしれない。この作品もレコードでは出ていたがCDでは出ていなかった。当然少量生産の自主流通ですので高額になります。
ミュージシャンは映画が好き!
基本的にそうだと思います。古くはビング・クロスビー、フランク・シナトラも映画界での成功を夢見ていました。また出演だけでなく、映画音楽や主題歌を手がけることもひとつのステータスになっている部分もあります。ここで集めたのはミュージシャンがなんらかの形でかかわったサントラ盤です。
ミュージシャンが出演した映画は昔から数多くありますが、この「ボディガード」は近年の中でも代表的な1枚で、アルバムとしても出演したホイットニー・ヒューストンの代表作と呼べる大ヒット作です。「えんだあああああぁぁぁぁぁーい」というサビの部分はすごいですね。でも主演2人、仲は最悪だったそうです(笑)
U2のアルバムなどのプロデューサーで知られるダニエル・ラノワが担当した「スリング・ブレイド」。彼に目を付けるとはさすがソーントン。南部のムードをたたえながら個性的なブルースっぽいギターサウンドをきかせてくれました。映画も音楽も大好きな1枚です。
ロックバンド、ジェネシスの元リーダーで、現在はソロとして活躍しているピーター・ガブリエル。彼はアラン・パーカーの「バーディ」で映画音楽初担当。自分の既成曲を織り交ぜて幻想的な作品世界の構築に貢献しました。この「最後の誘惑」も含めて映画音楽の担当は2作品のみ。もったいない!
「ブルックリン最終出口」はダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが担当した名盤。作品自体も素晴らしいのですが、厳しくみつめた現実を音楽があたたかくつつみこむ役割を果たしています。
私が大好きなユーリズミックスが担当した「1984」 よくあることなのですがサントラ盤に収録されている曲はベスト盤に入らないことがあります(プリンスの「バットマン」とか) このアルバムからのシングルカット "sexcrime" も彼らのベスト盤には未収録です。
説明不要ですね。坂本龍一はこの「ラストエンペラー」でオスカーを獲得しました。ただし他の作品はなんかなーというサントラが多いのは残念ですが(笑) 個人的には「戦メリ」が一番好きですが、このサントラもいいです。
「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」はフュージョン界でも名を知られるデイブ・グルーシンの担当。彼は自分の映画音楽ベスト盤も出していて、これまた必聴の名盤です。特にまだCDでサントラが出ていない「黄昏」のテーマがが入っているだけで買いです。
私が大好きなパット・メセニーが担当した「コードネームはファルコン」 主題曲"This is not America"をデビッド・ボウイが歌ってヒットしました。彼は「アンダーファイア」など何本かの音楽を担当。また既成曲が使用されることもあります。
「フラッシュダンス」や「フットルース」からはじまった、映画のためのオリジナル曲を集めた形のサントラ。これもその代表作の1枚「プリティ・ウーマン」で、個人的にはとてもよい曲が並んでいてお買い得な1枚だと思います。ロクセットやゴー・ウエストが収録されています。
既成曲を上手に使っている映画は、作品のセンスもやはりいいですね。70年代のヒット曲を集めた「インディアン・ランナー」のサントラ。ザ・バンドやジャニス・ジョプリンの曲が本当にいい感じで使われていました。

なおすべての著作権は著作権者に帰属します。もし何か問題がありましたらお知らせください。直ちに削除いたします。