この番組はWOWOWが昨年の秋に第1回目を放送した特別番組で、今回が2回目でした。私が最初にこの企画の存在を知ったのはWOWOWでの番組告知でした。そもそもこういうものに別段積極的ではない私ですが、実は過去一度だけ、まだビデオショップで働いていたときに、とあるビデオ業界のコンベンションでのイベント企画でのクイズ大会(司会は轟二郎!)で優勝したことがあって、なんとLD/CDコンパチプレイヤーを獲得した男(笑)。今回どうしようかなあと迷っていたらWOWOWのサイトに昨年の問題が出ていまして、これが割と簡単にとけてしまった。このぐらいでよいのならというわけで、今回はなんか勢いがついた次第です。で、応募。しばらくして予選の方に参加してくださいという知らせが郵送されてきました。
予選(2月24日)
最初に書類審査があったとのことで予選会には60名が参加されていました。この予選は筆記試験とカメラオーディションで構成されていました。
<筆記試験>
まずは筆記試験100問。試験時間は90分でした。クイズ自体はまたWOWOWで何らかの形で紹介されると思いますので紹介はしませんが、ジャンルは多岐にわたっていて監督名、出演者を原題、原作、映画用語、ゴシップなど広範囲です。自慢しているようで恐縮ですが、問題の難易度自体はそれほどではないと思います。たぶんこの試験で一番つらいのはあらゆるジャンルを網羅していることではないでしょうか。すなわち自分はこのジャンルに強い、逆に言うと得意ジャンル以外はまったくだめという方は厳しい問題だと思います。また何人かの参加者の方はこの企画をきっかけに映画王クイズ研究会(?)のような集まりを作って自分たちで模擬試験をしている方々もいらっしゃいました。というわけで筆記試験に関しては真の映画知識が問われるバランスのよい問題なので、対策の練りようがないのではと思います。強いて言うのなら映画をみたことを何らかの形で記録に残している人は強いと思います。それから映画の書籍をたくさん読んでいる人も強いかな。えっ、私は何か勉強していったのかって? もちろんやってない(汗) だって趣味の世界だからこそ覚えられるのであって、興味のないものは覚えられるわけないじゃないですか(爆) だからどうせ思い出せないと思って数カ所の空白を残して30分弱で試験場を後にしてDVDを買いにいっちゃいました(爆爆)
<カメラオーディション>
ここでは自分の映画への思いを1分程度でPRするというものでした。これは後で個人的に思ったことですが、実は本戦出場者選出にあたっては重要視されたのはこっちではないでしょうか?ということです。つまり番組的に多様な個性の映画好きをそろえた方が楽しいわけで、やはりここで自分の個性をしっかりアピールすることが重要です。またここではしゃべりをしっかりとみられるのではと思います。というのも本戦ではプレゼンテーションクイズがあるので、ある程度話が達者の人でないとだめだというのがあると思います。私の場合はWOWOWでこの映画をオンエアして欲しいと直訴して参りました。
で、その日のうちに結果報告。で、筆記はそれなりの手応えはあったので、自信はそこそこあったのですが、実は仕事柄本戦のある時期はすごく忙しいのでどうしようという思いもあり、わくわくして待っていました。で、結果は通過! うーん、うれしいやら困ったやら(笑) 家に電話すると相方もさすがにびっくり。でもテレビに出る方のインパクトが大きくて大騒ぎ(笑) 職場でも親しい知人に話すとそりゃ大変ということになって、私の周囲では3/17がとてつもない日になりつつありました(笑) ちなみに当日予選参加者にはお昼ご飯と記念品をいただきました。なんかうれしかったです、はい。
本戦(3月17日)
本戦は生放送でした。これはWOWOWがBSデジタルの双方向性を利用してこのクイズの中のプレゼンテーションクイズを行うためだと考えられます。当日指定された場所に出かけるとすでに出場者の方が何名かいらしてました。実は本戦出場者の方とは、予選でもそれほどお話ができなかった方ばかりだったので、ここではじめてお話ができました。みんな映画が好きな人ばかりで、実はここがすごく楽しい時間だったりします。やはり映画をネタにしてわいわいがやがややるのが楽しいというのは万国共通なのかもしれませんね。
<ステージ1> 見事映像クイズで『インサイダー』を解答している店主、まさに奮闘中! しかし黄色は1回お手つきを無情にも知らせています。この後、見事に玉砕(笑) |
ここは1対1の対戦形式による早押し問題。内容は場面の映像をみて映画は何かを答える映像問題。5問中3問先取で勝ち上がりです。実はここは当日、番組の進行の都合で、生放送前に収録されていました。で、リハーサルの時に対戦カードが発表。私はNさんが相手。うーん、不利なのか有利なのかわからん!(笑) でもとにかく緊張です。でも一番緊張していたのは花粉症の私が生放送中にくしゃみしたらどうしよう!ということだったりして(笑) <収録開始!> 入場のドライアイスの音にびっくりしつつも(ゲスト席にいらっしゃった品田雄吉先生も毎回びっくり(笑))、なぜかきれいどころの女性に手をひかれ、解答席に着席。で、ここで困ったのがモニターの大きさ。解答席のは液晶小型なのでかなりみにくいのです。最初にWさんが『グラディエーター』と『ダンス・ウィズ・ウルブズ』を間違えますが、あの大きさでは致し方ない部分も。さあいよいよ私の対戦です。1問目。ブルース・リーが出た瞬間、ぴんぽーん! うわあNさん、凄すぎ。この方早押しも凄いし知識もあるなんてさすがです。ここで焦ったのがいけなかったですね。2問目で飛行機の離陸シーンでお手つき。しかも落ち着いていれば後でブラッド・ピットが出てくるやん。というわけで答え直しは無事『ザ・メキシカン』で正解。でもルールで2問ミスすると即退場ですから。で、お手つきでしくじったのが3問目でひびきました。モノクロ・スタンダードの映像でなんか特徴のある音楽がかかっている。「んっ? チターかな?」と思った瞬間、Nさん、『第三の男』で正解。やはり2問お手つきだと失格というのは心理的に厳しいですね。きっとノーミスだったら「チターだ!」でいけたと思うのですが、ミスをしているので「チターか?」になったのでしょう(笑) 4問目は楽勝。眼鏡のラッセル・クロウは『インサイダー』。そして勝負の5問目。「げっ、モンロー(好きじゃない)。しかもカラー?」と思ったときには万事休す。Nさんがクリアとなって私、敗退決定。ああああああああ、終わったあ、まあいいかあと脱力してました。つまりオンエア前に私はすでに勝負あったと脱力していました(笑) |
<ステージ2>
ステージ2は余裕の客席観戦モード。やっぱ、こっちの方が気楽だー。でも答えられないのはストレスたまるぅ(笑) やっぱり外野というのはいい気なもので。
司会のマイケル富岡さんと似鳥裕子さん。ともに第1回目の引き続きということで、さすがな感じ。マイケルさんはまじカッコイイです。当日は他にゲストで品田雄吉先生、はなさん、そして監修で稲田隆紀先生も参加。 |
<ステージ3> ここではプレゼンテーションクイズによる敗者復活戦でした。テーマは「最初のデートでみたい映画は?」 私は『ローマの休日』と答えて見事1位を獲得! ステージステージ4に駒を進めることtなりました。ちなみにこのプレゼンテーションクイズなんですが、実はこれ、我々本戦出場者に事前に記入が依頼されていたものでした。つまりその場で言われたものではなかったのです。これはデータ放送のために事前入力が必要なためだと思います(もちろん当日の変更は不可)で、3問ありましたね。 *ステージ2で出題されたもの:ハリウッドでリメイクしたい日本映画は? *ステージ3(敗者復活)で出題されたもの:最初のデートでみたい映画は? *ステージ4で出題されたもの:名画座でひらくとしたらどんな名画座に? こけら落とし作品は? で、プレゼンテーションクイズの性質はもちろん承知していたのですが、この3問がどの時に使われるかは教えてはもらっていませんでした。また一番やっかいなのはここで映画好きの血が騒ぐこと。やっぱりいろいろとねらっちゃうんですよ(汗) で、私の場合、らしからぬ『ローマの休日』を書いたわけですが、ここではほかに考えようがなかった。ひねりようがなかったんです。でも結果的には助かったわけで、数多くの映画好きに支持されることが重要なカギになるわけです。しかもここでは理由を各自解答者が述べられなかったですよね。これも私にはラッキーでした。もし他の方の理由が他のプレゼンテーションクイズと同じように話す時間があったら、違う結果になっていたかもしれません。 |
<ステージ4> で、いよいよファイナル。各自紹介までされちゃって赤面もの。娘はテレビをみて「パパ、パパ」と興奮していたらしいです(汗) やはり緊張しますね。でもステージ1ほどではなかったです。それに1問目を答えられたので気持ち的にも楽になりました。ちなみに画面ではうつってますが、スタジオでは当然聞くだけでやっています。これはやはりのんきにTVを眺めているのとは違います。ここは声を大にして言います。本当にドキドキするんです。私もタイムショックで答えられなかった解答者をおちょくるのはやめようかと思います(爆) おかげさまでここは4人中トップの成績。ここは映画好きモード全開で見せ場は作れたかと思います。ちなみにみなさんがさかんに指摘している発音ですが、マイケル富岡さんに対抗意識を燃やしたわけでもなんでもなく、普段の英語の発音が出てしまっただけでして(汗) 日本語なまりの英語でお恥ずかしい限りです。 |
紹介されて赤面中の店主、ははは(汗) ちなみにタキシードはもちろんWOWOW提供。強制です。披露宴ですら、着るのを拒否したのに(涙) |
<結果>
しかししかし。最後の最後、ステージ4のプレゼンテーションクイズの結果が加算された結果は惜敗。今回も初代チャンピオンの森さんがトップとなりました。で、映画王は賞金が出てましたが、パナソニックさんがスポンサーということで、私もデジカメ(浜崎あゆみがCMに出ている出ているルミックス!)をいただいてしまいました。でも映画王はDVカメラだった。私が唯一悔しい!と思った瞬間でした(笑)
<映画王決定戦に関して思うこと>
すごく楽しかったんです。まずクイズを解くのが楽しかった! こういう企画ってありそうでないんですよね。映画ファンは確実にいますし、結構需要はあるのかもしれません。で、できれば試験勉強とかで対策を練るんじゃなくて、好きな世界で自然に身に付いた知識を試すことに楽しさがあると思います。しかもプレゼンクイズがあるじゃないですか。ここはウリとして残してもらいたいですね。この番組は様々な側面があるでしょう。映画の知識を競うという要素はもちろんですが、番組である以上視聴者のことも考えなくてはいけません。しかもここにはWOWOWの映画番組の告知的役割をしている面、それからBSデジタルの双方向性をアピールする面も持っています。ですからクイズの難易度と番組の娯楽性のバランスのとり方は難しかったのではと推察できます。プレゼンテーションクイズはいろいろと是非があるかと思いますが、でも私はどちらかというと擁護派。面白い企画だと思います。私の場合1度は助けられて1度はまいったあなわけだったのですが、結構やはり悔しい部分はありました。というのも自分のサイトで似た企画をやっていたというのがあって(汗)、特にステージ4はそれで負けたので余計に。やはりたくさんの映画好きの気持ちをつかむことは、興行にもつながるまさに映画ビジネス的な発想ですよね。象徴的だったのは最後のプレゼンクイズでは森さんも私もスター・ウォーズだったわけです。でも私はその時、劇場の附帯設備のことはまったく考えなかった。なんだー、私がシネコンのレポートで書いている肝心要のことじゃないかーと思ったときには後の祭り。やはりこのクイズでも勝利したかったなあと思います。
WOWOWへの要望としてはやはり得点の配点と問題の数ですか。個人的にはもうちょっと純粋にクイズ勝負をしたかったという気持ちがちとありました。クイズ番組としては問題の数がもう一声あってもよいというのはあると思います。
司会のマイケル富岡さんと似鳥さんは2回目ということで、軽快なテンポでリードしていただきました。また品田先生、さすがです。私、例のオスカー作品賞のカラー作品の問題、観客席で見事にひっかりました(笑) 問題や企画全体を監修されている稲田先生、きっと問題のバランス感覚は稲田先生によるところが大きいのではないでしょうか。他にもWOWOWのスタッフの皆さま、ありがとうございました。進行がどたばたしているところもありましたが、生放送の大変さを考えるとみなさんさすがという思いです。
それからやはり初代映画王は違います。森さんがいいのはいかにもという感じがしないところですよね。これが「映画だけが人生だー、ファイヤー」みたいな方に負けていると、きっとはらわた煮えくり返っていたのかもしれませんが(汗)、私はできるだけ普通の映画好きの感覚を失わないでいたかったので、よい勉強になりました。他の解答者のみなさんもすてきな方ばかりで、前述しましたが、クイズと同様、その方たちとお話するのが本当に楽しかったのです。さすがの年輪Fさん、浪速のブックマスターのTさん、モンロー大好きKさん、ほんわかママのMさん、さすが本業のSさん、映画監督志望のNさん、東大生Sさん、映画大好きスーパー高校生Oさん、特に筆記試験2回連続1位のWさん! 最後の懇親の席で突然マイケル富岡さんに指名されてWさんはスピーチされました。マイケルさんにしてみると最初の最初で消えてしまったWさんへの配慮だったと思うのですが、Wさんはクイズの結果のことにはふれずに「これほどさまざまな放送局があるのに、こういう企画をやってくれているのはWOWOWだけです。ぜひこれからも続けて欲しいです」というスピーチをされました。なんかこれはその場にいた出場者の気持ちが代弁されていて、とてもじーんときました。
第3回目があるかどうかはこの原稿を書いている時点ではわかりませんが、できればやってほしいです。そしてその時にはまた参加してみたいなあと思っています。スタッフのみなさま、予選・本戦会場で知り合えたみなさま、そして応援していただいたみなさま、この場をかりて御礼申し上げます。ありがとうございました。
文:じんけし 2002.05記.