というわけで年に1度はやりたいと思っている(?)遠征でございます。昨年のイオンシネマズ久御山に続き、今回は大阪、名古屋に行って来ました。 

「グラディエーター」(UCI岸和田スクリーン7:SRD-EX+THX)
まずは大阪・岸和田のUCI岸和田で鑑賞。私はUCIは初体験。一度札幌に出かけたとき、ロビーをうろうろしただけ(笑) さてこれから鉄道で遠征される(?)方のために申し上げておきますと、大阪からは結構あります。東海道本線→環状線→南海線とのりついで結局1時間近くかかりました。
岸和田駅を降りてからは岸和田港に向かって徒歩10分。岸和田カンカンというショッピングスペース内にUCI岸和田はあります。ここはスクリーン7がTHX認定館だったので、せっかくなのでそれを体験しようと思い、チョイスした作品はすでに見ていたのですが「グラディエーター」。音響はSRD-EXでした。なお残念ながらここも音響フォーマットの表記はチケット売り場にも劇場入り口にもありませんでした。これはぜひ改善していただきたいと思います。なおキャンペーンでスタンプカードをやっていましたが、これはぜひ恒久的にやってもらいたいです。またいいと思ったのが制服。シックでかっこいいポロシャツで私も欲しいぐらい。メディアージュとは大違いです(笑)。
さてスクリーン7ですが、かなり大きい。雰囲気としてはヴァージンシネマズの映画館に色調といい、構造といい、とても似ています。スピーカーはJBL。そしておもしろいと思ったのが室内照明。天井部にはなく、サイドウォールからスポットライト状に照らしています。おそらく空調の関係だと思うのですが、よいアイディアだと思います。音の方ですが残念ながら期待したほどではありませんでした。低音はよく出ていますが、リアの音がかなり響いていて、残響がやや大きすぎだと感じました。特にダイアローグのなり方は響きすぎ。スコアなどもリアの自己主張が強すぎるように思いました。
そして! 最大の問題は劇場入り口の配置。通常の映画館は映画館の周囲に通路があるので、何カ所か出入り口があります。一方シネコンは基本的にスクリーンへの出入り口は1、ないし2。ほとんどがスタジアムシートなので後部座席の床下のスペースを利用することが多い(WMC、メディアージュ) ここはVC同様、劇場のサイドから後方へスロープ状に出入り口が設けられているのですが、ドアを開けるとなんと劇場外の光がスクリーンにさしこんでくる! ここは7の出入り口を出たロビーは窓からさんさんと日光が降り注ぎ、明るいことこの上ない。夜の時間帯でしたらまったく気づかなかったと思うのですが、エンドクレジットとはいえ出口側をずっと開けられてしまったので、スクリーン両サイドは遮光もへったくれもない状態でした。
またちょっときついことを申し上げるとお世辞にも大混雑とはいえない中、誘導のためとはいえ、真っ暗にするための工夫が数多くしてある劇場内のスクリーンを、出入り口を開けっ放しにして映画をみている人の邪魔をする神経は理解できません。UCIはサービスも素晴らしいと聞いていましたので、ちょっと悲しかったです。

「ハリケーン」(VC名古屋ベイシティスクリーン3:SRD+THX)
さて観賞後、すぐさま名古屋に移動。掲示板でもおなじみ中学時代からの友人、ダモンダデさんと合流(M:I−2のチケットも押さえておいてくれた。持つべきものは友ですね。感謝感謝)。楽しい夜を過ごした翌日、ヴァージンシネマズ名古屋ベイシティに出かけました。ちなみに私はVC市川コルトンプラザを体験していますが、市川は全9館がTHXという前代未聞のシネコン。その直前にできたここは全12館中、7館がTHXシアターです。今回はそのうち2館を体験することにしました。
さて場内ですが、個人的にVC市川にくらべてロビーが広々としていてはいい感じです。3フロアーを使っているので中央に吹き抜けのような空間があります。またどこのスクリーンでなにが上映されているのかがはっきり明記されているのも好感が持てます。ただしここも音響フォーマットの表記がなかったのは残念でした。まずはスクリーン3で「ハリケーン」を鑑賞。作りは市川と同様。色使いも落ち着いていてシートもいい感じです。リアスピーカーはVC独特の設置スタイル。239席とTHXシアターとしては中規模の部類に入るのですが、とても見やすく、また音も低音のなり方に迫力は感じないものの、自然な音場がひろがり、特に弦楽器の表現力は素晴らしかったです。
「M:I-2」(VC名古屋ベイシティスクリーン4:SRD-EX+THX)
さてこのVC名古屋での最大キャパはここスクリーン4。訪れたのが7月1日土曜日だったので、選択肢は2つ。連日の「グラディエーター」か、先週に続き先行上映の「M:I-2」か。非常に迷ったのですが、しぶしぶ後者をチョイスしました。さて今回偶然にも3館とも「60セカンズ」の同じトレーラーがかかり、これが格好の比較基準となりました。さてスクリーン4でのトレーラーですが、期待を持たせるに充分な音を聞かせてくれます。さて少しだけワクワクして(だって本編は見ちゃって気に入らなかったわけで・・・(涙)) しかーし! 
これがすごい! さすがのTHX印!という音をひっさびさに味わうことが出来ました。最初の「60セカンズ」のトレーラーからして昨日のUCI岸和田の時とは印象が違う。まずサラウンドの響き方がいい。セパレーションがしっかりしていて、映画上の音源の位置がはっきりとわかります。また高域から低域までのすべてのバランスがいい。低域の音はものすごい爆音。しかも必要以上になっていない。たとえばひどい映画館だとドアをしめる音が劇場中にものすごい低音でひびきわたるところがありますが、それはとても不自然なわけで、ここはそういうところがないのです。さらにダイアローグも変なクセがない。パッケージとしてのバランスが素晴らしい。つまり何かをことさら強調するという不自然さがまったくないのです。それを空間が大きくなるために音響的には不利になるといわれている大きな劇場で再現するのですから文句のつけようがありません。

VC名古屋スクリーン4は日本屈指の映画館!
というわけで今回の遠征で体験したVC名古屋スクリーンはひょっとしたら日本でも屈指のハイレベルな映画館だと断言してしまいます。私自身の中でも間違いなく5本の指に入ると思います。またしかるまさんのHPで指摘されていた方がいましたが、シネスコサイズのスクリーンとしては日本でも最大級のものですから、そういった意味でもぜひ体験していただきたいと思います。

※おわび:初回アップ時にミスがありました。M:I-2の鑑賞劇場はスクリーン5ではなくスクリーン4でした。お詫びして訂正いたします。

文:じんけし 2000.07記