歌舞伎町方面

新宿プラザ劇場
関東の東宝系の中では最後の砦と言っていい大劇場。劇場入り口の大看板、チケットブース、ロビー、客席と風格漂う。Ｄ１５０を上映できた（る？）場所としても知られる。ＥＶのスピーカーを使用していることをアピールしているが、確かにＳＲＤをここまで上映できる映画館は希で、いかに優れた設計かがわかる。弦楽器の音のなまめかしさを表現する力は素晴らしい。ただし大劇場の宿命で切れ味抜群とはいかずＳＷエピソード１のラストの呼吸音が聞き取りにくかったらしい（複数の知人談）。以前階上からの騒音が問題となったがどうなったのだろうか？　画面は、さすがの大きさ！　座席前のスペースが狭いのが難点。
ベスト：「ドラキュラ」

新宿アカデミー、新宿オデヲン座

私が初めて洋画を鑑賞した映画館。基本的な設計は悪くないと思っている。階段状になっているので見やすいが、一度ここでジュースをひっくり返してしまい、前の人にこぼしてしまった苦い想い出がある（それだけ段差があるということ）

こことオスカーはいったいビルのどこにあるのか簡単に把握できない（笑）　古めかしい作りではあるが、音の個性としてはとてもユニークでガンガンならすタイプの映画にめっぽう強い。ここでのＢＧＭの鳴り方はまるで教会で、マーチ系はくせになりそうなぐらい。逆にパワーがないタイプは貧相なならし方しかしない。

新宿コマ東宝

新宿ミラノ座、新宿東急、シネマスクエアとうきゅう

都内最大のキャパシティを誇る。同じチェーンの渋谷パンテオンと違ってワンフロア。最後列から劇場を眺めると壮観。ただし音は線が細く、エネルギッシュとは言い難い。また字幕のあたりでフォーカスを合わせるために、画面の中であきらかにピントがあっていない部分を見ることが出来る。シートは豪華だが、前のスペースはかなり狭い。でもでかい（笑）　やはりでかい。
ベスト：「ＪＦＫ」

ミニシアターブームの火付け役。小型のパンフレットといい、開館時に実施していた自由定員制といい、その後のミニシアターカルチャーの方向性を決定づけた。何よりも今までは劇場で見ることが叶わなかった作品群が、劇場で見られるようになったという点で計り知れない功績がある。「薔薇の名前」「ドレッサー」という私の中でいつまでも忘れ得ぬ名作が、この映画館がなかったら、即ビデオ化だったかもしれないと思うと、感謝の気持ちでいっぱいである。今から思うといかにも東急レクの映画館といった感じで、ここでのノウハウが他の映画館に数多く（シート、フロア、ロビーなど）フィードバックされていると思われる。奥行きのある長方形という形状が音響には悪い影響を与えているようで、音に繊細なタッチは感じられない。また後方のシートはあまり環境がよいとは言えない。

新宿ジョイシネマ１・２・３

新宿トーア

新宿その他

新宿スカラ座、新宿ビレッジ１・２
日劇とチェーンを組んでいる割には他ほど風格はなく、でもそこそこの品はあり、かといって音がいいかというと帯域の狭いなり方で、ラジカセのような音に聞こえる時があるという、つかみ所のない映画館。私なら迷わずにプラザにいくのだが・・・。

新宿文化シネマ１・２・３・４

新宿ピカデリー１・２・３・４
たびたびの改装、名称変更をくりかえし、とりあえず現在の形に落ち着いている。チケットブースといい、劇場入り口までといい、昔の威風堂々とした劇場を思い起こさせる。

でかいがウリの映画館。私はこのただっぴろい空間に不思議な魅力を感じていて、キライではない。こういうロビーが映画館だ！という感じがする。しかし音の繊細さをここにもとめることは酷。

テアトル新宿
もともと一介の名画座であったが、いちはやく個性的な映画館作りへと方向転換。現在はミニシアター的な役割を果たしている。まだまだロードショー館でも導入されていなかったドルビーＳＲを導入するなど設備投資の面でも進んでいた。音はシネコンなど影も形もなかったころにしては画期的なハイファイ系再生音。予告編の音が他とは全く違うのに驚かされた。セリフのキレが非常に良く、また高音域のなり方も絶妙。惜しむらくは観客が立つとスクリーンに影がうつりこむことがあること。
ベスト：「蝿の王」