ヴァージンシネマズ市川コルトンプラザ
1999年11月にオープンした。なんと全館THXシアターというおそろしいコンセプト。またウワサのプレミアスクリーンも関東初見参。WMCやUCI、AMCといったシネコンの中でどこまで独自色を出そうという試みは感じる。劇場入り口にはスクリーンサイズやスピーカー機種名が記され、場内のモニターでは残席数や、開場までの時間が表示されているのは素晴らしい。ただし現在の上映作品の音響フォーマットはなぜか表示されていないので改善してもらいたい。壁に埋め込まないというのがTHXシアターでのサラウンドSPの設置セオリーだが、ここの設置方法はユニーク。

スクリーン1 369 THX 見やすさ ***1/2 音響 *** 環境 ***

市川では最大キャパ。とにかくすごい低音でこの響き方は尋常ではないが、日常的な低音まで不必要に大きくならすスタイルは私の好みとは合わない。弦楽器のならしかたに繊細を感じず、またセリフにリアリティがない。全体としては充分及第点なのだが、VC名古屋4と比較すると、どこかしらバランスが悪いように思う。また劇場自体の大きさも中途半端で画面がでかいという印象は薄い。

スクリーン4 275 THX 見やすさ *** 音響 *** 環境 ***

同じキャパのシネコン劇場とくらべると広々と感じる場内だが、音の傾向は同じTHXでもシネマシティ立川2に近くて、やわらかい響き。オープンして間もない頃なので後日聞くと印象が変わるかも知れない。場内のトーンが黒を基調としていて、とても落ち着いて鑑賞できる。シートは最高。堅実なつくり。

スクリーン5 319 THX 見やすさ ***1/2 音響 **1/2 環境 ***

市川で2番目に大きい劇場。シネスコサイズが自然に視野に入り、とても見やすい設計。基本設計は他と同じだが、音の傾向は1に輪をかけた感じ。セパレーションはよいが、リアリティに欠けるのが惜しい。

スクリーン6 227 THX 見やすさ *** 音響 ** 環境 ***
スクリーン7 243 THX 見やすさ *** 音響 **1/2 環境 ***
プレミアスクリーン 100 THX 見やすさ *** 音響 ***1/2 環境 ***

なんてたって3000円! 入り口が待合いロビーのようになっていて、スナックとドリンクが無料でサービスされる。さらに専用のトイレ、クロークがある。そして場内は大きめのシートとサイドテーブルがペアでゆったりと並べられている。なにしろ普通なら250席前後は配置できる場内に100席。採算はとれるのだろうか(笑) しかし場内のけばけばしさは私は不必要だと思う。このあたりはやや本末転倒かも 音は立ち上がり直後にしては優秀でdtsの表現力は素晴らしい。オープンまもなくでここまでだから素性の良さがうかがえる。

AMCイクスピアリレポートはこちら
AMC国内5番目の映画館にして関東初見参。2000年7月8日にオープンした。なにしろ16もスクリーンがあるので人ごとながら番組編成は大変だなあと思う(笑) 舞浜駅から歩いてすぐ。イクスピアリの奥の方にある。エスカレーターをはさんで2フロアの構成。チケットのもぎりの位置が一般的なシネコンと違って、チケットブースすぐそばに全館共通で1カ所のために中のロビーでの待ち合わせは不可となっているのは残念。音はSDDSが基本となっているのがユニーク。ただし音響フォーマットの表記なし。以前は最後のエンドクレジットがはじまるといきなり場内の一部照明が点灯しやや明るくなったが、改善された。(2002.07.20)

1番 135 見やすさ ***1/2 音響 **** 環境 ***

キャパが200以下にもかかわらず、今まで私が抱いていたSDDSのイメージを根底から覆す繊細かつパワフルな素晴らしい音場をきかせてくれた。ダイアローグはナチュラル。低域はダイナミック。リアのつながりがこれほど見事な映画館は珍しい。
ベスト:『あの頃ペニー・レインと』

4番 361 見やすさ ***1/2 音響 **1/2 環境 ***

イクスピアリで安心できることは、ここは同一構造の最大キャパ劇場が4つあり、人気作品はまず間違いなくそこに入る点。シネコンの申し子のような劇場で清潔感のある見やすい劇場。ただし音は相当強引ななり方で、ドライブ感とパワーは相当なものの、繊細さにかけ、映画のジャンルを選ぶかもしれない。

6番 204 見やすさ *** 音響 **1/2 環境 ***
10番 176 見やすさ *** 音響 **1/2 環境 ***

イクスピアリの中では中規模にあたる。とにかくきれい!という第一印象。ただ壁面の色のせいか(配色は東宝直営映画館+VCプレミアといったらおわかりいただけるだろうか)場内がやたら明るく感じる。シートは肘掛けがあがる独自のタイプで配置も面白い。これは個人的には○。スクリーンはこのサイズの映画館としてはとても大きく感じるが、シネスコの時はやや窮屈にも感じる。スピーカーはクリプシュを使用。音はよくもわるくも無個性。オープンしてまもなくだったせいか、弦楽器系のなり方が雑に聞こえた。サイドのサラウンドSPの配置がかなり高い。でも音場自体は悪くないので、この試みは成功しているように思う。

13番 361 見やすさ ***1/2 音響 **1/2 環境 ***
14番 204 見やすさ *** 音響 **1/2 環境 ***

ここはDLPが常設されている。2001年10月現在東京近郊には3ヶ所常設されているが、ほぼ常時上映を実現しているのはここだけ。

シネプレックス10幕張
シネプレックス国内4番目の映画館として2002年6月17日にオープン。メッセアミューズモール内にある。関東では平塚に次いでとなるがこちらは全席指定。また培ってきたノウハウが上手に消化された感じで、ロビーも大きくトイレ(洗面に映画の名セリフがあったりする)や内装のデザインも平塚にくらべるとセンスの良さを感じる。全館EVのシステム。(2002.08.12)

スクリーン5 114 見やすさ *** 音響 *** 環境 ***
スクリーン9 352 見やすさ **** 音響 ***1/2 環境 ***

幕張で2番目の大きさであるが、HDCS<Herald Dynamic Clear Sound>というシステムを導入しているのがウリの1つ。劇場の公式サイトによると「THXに縛られずに、さらに一歩進んだ未来の映画音響へ挑戦するエキサイティングサウンドシステム」とあるが、これはTHX認証クラスのシステムを導入しつつも、細かな制約でデメリットになると劇場側が判断した部分はあえて縛られないという意味のようだ。たとえばサラウンドSPを大型化(THXの認証機器の中にこのサイズのサラウンドSPはない。幕張も他のところでは標準的なサイズの物を使用していた)したりしている部分はTHXシアターにはない要素。画面は本当にみやすくてシネスコが自然に視野に入り、体感サイズも大画面を実感できる。音はとても堂々としていて同じくEVの日比谷スカラ座1と傾向が似ているが、全体のバランスとしてはこちらに軍配があがる。またサラウンドSPの大型化により音の低位感は抜群。ただしうるさく感じる部分もあるかも。

スクリーン10 426 THX 見やすさ ***1/2 音響 *** 環境 ***

幕張でもっとも大きいキャパでTHX認証を受けている。が、好みで言うと圧倒的に9の方がよい。大画面でみたという実感がなく、また音の傾向は平塚のTHXと同じ。一言で言ってしまえば音に余裕がないというか、力業で押し切ってしまっている感じで、大音量が耳障り。(2003.05.31)